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犬がブラッシングを嫌がる理由と対処法

ワンちゃんとの生活に欠かせないブラッシング。その効果は美しい毛並みを保つだけにとどまりません。

しかし中にはブラッシングを嫌がってしまうワンちゃんもいることでしょう。
今回は、そんなブラッシングについて、その重要性や嫌がってしまう理由と対処法などについてお話ししていきます。

【目次】

ブラッシングの効果と必要性

ブラッシングの頻度

ブラシの種類

ブラッシングを嫌がる理由と対処法

ブラッシングのポイント

さいごに

1.ブラッシングの効果と必要性

ワンちゃんのブラッシングには、毛並みを整える目的以外にも、様々な役割があります。
ワンちゃんにとっても人にとっても様々な効果があり、ワンちゃんと暮らすうえで欠かせない大切な作業です。
ブラッシングの効果には次のようなものがあります。

皮膚や被毛の健康を保つ

皮膚や被毛についた汚れや抜け毛を取って通気性を良くすることで皮膚の健康を保つ効果があります。
ブラッシングをせずもつれや毛玉ができてしまうと、皮膚が引っ張られて痛みが出たり、通気性が悪くなり皮膚トラブルの原因になったりします。

また、皮膚への適度な刺激により血行が促進され、新陳代謝を良くする効果もあるとされています。

病気の早期発見につながる

ブラッシングはワンちゃんの身体に触れ、毛をかき分けて作業をする為、健康状態をチェックする良い機会になります。
こまめなブラッシングはワンちゃんのちょっとした変化にも気づきやすくなり、皮膚トラブルやノミ・ダニ等の寄生、しこり、病気の早期発見につながります。

皮膚トラブルの例:フケ・乾燥・赤み・湿疹・べたつき など

触られることを極端に嫌がる場合は腹痛や腰痛・皮膚炎・関節炎など体調に異常がある場合もあります。
皮膚トラブルや体の異常の兆候がみられた時は速やかに動物病院を受診しましょう。

抜け毛対策

ブラッシングをすることで家具や衣類に付く抜け毛の量を減らすことが期待できます。
部屋に飛散した抜け毛は放置するとダニの温床となり、ハウスダストの原因になります。
ダニやハウスダストはアレルギーを引き起こす原因として、人とワンちゃんどちらの健康状態にも影響を及ぼすことがあります。

また、換毛期のブラッシングは抜け毛を除去しスムーズな換毛を促す効果もあります。

コミュニケーション

ブラッシングはスキンシップによるリラックス効果も期待でき、ワンちゃんと飼い主さんのコミュニケーションの時間になります。

2.ブラッシングの頻度

ブラッシングはできれば毎日、少なくとも週に2~3回は行いましょう。

特に長毛種や換毛期のワンちゃんは毛がもつれやすかったり、抜け毛が溜まりやすかったりするので、特にこまめにブラッシングを行うと良いでしょう。

もつれや毛玉ができてからだと、時間がかかったり、ブラシが引っかかる痛みで嫌がったりすることがあるので、もつれや毛玉の予防としてこまめにブラッシングを行いましょう。

ブラッシングは毎回完璧でなくても、少しずつでも良いので習慣として続けることが大切です。
時間に余裕のない日は毛玉ができやすい部位だけでもブラッシングするなど工夫して習慣化しましょう。

毛玉ができやすい部位:耳の後ろ・尻・脇の下・胸・内股 など

3.ブラシの種類

ブラシにはさまざまな種類があります。
毛の長さや毛質によって適したものが違うので、ワンちゃんに合ったブラシを選んであげましょう。

スリッカーブラシ


「く」の字型の細い針金のピンがびっしりと付いたブラシです。
抜け毛取りもつれ・毛玉ほぐし毛量を減らす際に使います。
ハードタイプとソフトタイプがあり、毛の長さなどに応じて選べ、幅広い犬種に使用できます。

★スリッカーブラシがおすすめの犬種例

  • 柴犬
  • コーギー
  • ロングコートチワワ
  • マルチーズ
  • ヨークシャーテリア
  • ゴールデンレトリバー など

ピンブラシ


ゴムの土台の上に金属製などのピンが付いたブラシです。
人間のヘアブラシに近い形をしています。

ピンの先端が丸く、ピンの間隔が広い為、皮膚や被毛を傷つけにくくなっています。
ボリュームを保ったまま毛並みを整え、ふんわりした仕上がりになるので、毛が長く毛量の多いワンちゃん向きです。

★ピンブラシがおすすめの犬種例

  • ポメラニアン
  • トイプードル
  • ミニチュアシュナウザー
  • シェットランドシープドッグ など

ラバーブラシ


ブラシ全体がゴムやシリコンでできた、柔らかいブラシです。
柔らかいので皮膚を傷つける心配が無く、マッサージ効果も期待でき、誰にでも使いやすいのが特徴です。
シャンプー中や短毛種の抜け毛取りにも使用できます。
短毛種やスムースコートのワンちゃんへの使用がおすすめですが、長毛種の顔周りなど毛の短い場所に部分使いをするのも良いでしょう。

獣毛ブラシ

馬・豚・猪などの毛から作られたブラシで、使われている毛の種類によって硬さが異なります。
毛艶が出るので、ブラッシングの仕上げに最適です。
また、静電気が起きにくいため、毛にまとわりつくフケやほこりを取り除くのに適しています。

★ラバーブラシ・獣毛ブラシがおすすめの犬種例

  • パグ
  • ミニチュアピンシャー
  • ブルドッグ
  • ビーグル など

 

その他の道具

コーム


金属でできた櫛です。
ブラッシングの最後にもつれが無いか確認したり、毛並みを整えたりするのに使います。

ブラッシングスプレー(グルーミングスプレー)

ブラッシング時の被毛の損傷や静電気を防止ブラッシングをしやすくするスプレーです。
毛にツヤを出すものや、汚れを落とす効果のあるもの、消臭効果のあるものなど様々な種類が市販されています。

特に毛の長いワンちゃんのブラッシング時にあると便利です。

4.ブラッシングを嫌がる理由と対処法

ワンちゃんがブラッシングを嫌がるのにはいろいろな理由があります。
考えられるいくつかの理由とその対処法をご紹介します。

触られることに慣れていない

ブラッシング以前に、体を触られること自体に慣れていないワンちゃんはブラッシングも嫌がってしまいます。

このような場合、まずは触れられることに慣れてもらうところから始めましょう。
日常から触れ合いのコミュニケーションをし、身体を撫でてあげる・優しくマッサージするなどして身体に触れられる練習をしましょう。
触るときは、嫌がりやすい口元や足先は避け、首周りや背中などワンちゃんが触られて気持ちいいと感じる場所から触ってあげると良いでしょう。

少しでも出来たら褒めたりご褒美をあげたりして、触られることは気持ちいいこと・嬉しいこと、と思ってもらえるようにしましょう。
触られることに十分慣れたらブラッシングを試みましょう。

ブラシを警戒している

ブラッシングが嫌なのではなく、見慣れないブラシを警戒し嫌がるワンちゃんもいます。

このような場合はブラシをポジティブな印象に変えることが効果的です。
ブラシを普段から見える場所に置いて見慣れさせたりブラシの近くでおやつをあげたりして、『ブラシは良いもの』と認識してもらいましょう。

ブラシ自体に慣れてきたら、ブラシの背側を使い身体を撫でるなど、少しずつブラシを当てることに慣らしていきましょう

ブラッシングに慣れていない・じっとしているのが嫌

ブラッシングという行為自体に抵抗がある場合やブラッシング時に体を抑えつけれるのが嫌、という可能性もあります。

子犬など元気いっぱいのワンちゃんに多く、ブラッシングは怖くない、気持ちいいと分かってもらえるように、徐々に慣らす必要があります。
いきなり強くブラシを当てるのは避け、声をかけながら軽くブラシを当て優しくブラッシングしましょう。
嫌がる場合はすぐに手を止め、ブラッシングが嫌な思い出にならないよう注意しましょう。

ブラッシングのタイミングはワンちゃんがリラックスしているときが良いでしょう。遊びたくて興奮している時はブラシをおもちゃだと勘違いしてブラッシングしにくくなってしまうので避けましょう。

あまり時間をかけず切り上げ、終わったらたくさん褒めてあげましょう。

トラウマ

過去にブラッシングで嫌な思いをした為それがトラウマになって嫌がっている場合もあります。

トラウマの克服には時間がかかるので、気長に向き合うことが大切です。
まずはワンちゃんが安心できるように優しく声かけを行い、ブラシや場所を変えるなど今までと違うシチュエーションを試してみるのも良いでしょう。

また、自律神経の働きを利用しワンちゃんを落ち着かせる背線マッサージもおすすめです。
やり方は、尾の付け根から首までのライン上を5本の指の爪を立てて毛を逆立てるようにマッサージします。これを繰り返すうちに副交感神経が優位になり、ワンちゃんの気持ちを落ち着かせることが出来ます。落ち着いてきたらブラッシングをしてみましょう。

一度ブラッシングが出来るようになれば、それに慣れてトラウマの克服に繋がるかもしれません。

ブラシが合っていない

ブラシのかけ方が強すぎたり、使っているブラシが合っていなかったりすると痛くて嫌がる場合があります。

ワンちゃんの皮膚は人間よりも薄く、痛みを感じやすいため、ブラシの使い方や使うブラシの種類に気を配りましょう。
ブラシはやさしく持ち、強く当てすぎないようにしましょう。自分の腕でブラシを当てる強さを確かめてみると良いでしょう。

また、ブラシの種類を変えてみるのもひとつの手です。

5.ブラッシングのポイント

痛い思いをさせない

ブラッシングで痛い思いをするとブラッシング嫌いのワンちゃんになってしまいます。
毛玉にブラシが引っかかると痛いので、ブラシをかける前に毛玉のチェックをしましょう。
ブラシは毛並みに沿って動かし、力加減に十分注意しながら行いましょう。

長時間やらない

ブラッシングは10分程度長くても20分ほどで終わらせましょう。
長時間のブラッシングはワンちゃんが飽きて落ち着きが無くなってしまい、無理をさせてしまう場合があるので、毛玉ができやすい部位を中心に、手短に終わらせるように心掛けましょう。

逃げようとする時・おこる時は中断する

ブラッシングに嫌なイメージを付けさせないために、逃げようとした時や怒るときは無理強いせず中断しましょう。

安心できる場所とタイミングで行う

ワンちゃんが安心できる場所で行いましょう。落ち着かないときや慣れないうちは飼い主さんの膝の上で行うのもおすすめです。
よくマッサージをしてからなど、ワンちゃんがリラックスしている状態で行うのが理想です。

6.さいごに

ブラッシングはワンちゃんと飼い主さんにとって大切な時間です。
今は嫌がる子も諦めず気長に向き合えばブラッシング好きになってくれるはずです。
ワンちゃんそれぞれにあった方法を模索してみてくださいね。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。

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